
酷暑が続きますが、皆様いかがお過ごしですか?
夏バテ防止の食材と言えば、もはやこの国では高級食材の「うなぎ」ですね。
私自身も大好きです。
今日はその「うなぎ」についてのお話をしたいと思います。
うなぎといえば、「うな重」や「うな丼」が一般的ですが、お値段もそれなりになりました。
私がこどもの頃(昭和後期)は、うな丼一杯1500円程度だったと思います。
それから平成では2千円程度、現在は3千円程度でしょうか?いったいどこまで値上がってしまうんでしょうか!
何故うなぎはこんなに高くなってしまったのでしょう?
・稚魚である「シラスウナギ」が不漁であること
・完全養殖が難しい事
この2つが理由です。
通常うなぎはシラスウナギを捕獲し養殖して成魚になってから出荷します。
そのシラスウナギの捕獲量が年々減っているのです。
完全養殖とは、人工ふ化させた仔魚を親魚まで育て、その親魚の卵から次の世代を人工ふ化させる。という技術です。
これは現在でも研究が続けられていて、うなぎの場合コストの面からまだ実用的でないとされています。
さらに、うなぎは平成25年に絶滅危惧種として環境省のレッドリストにまで指定されています。

うなぎが減ってしまった理由は?
理由は
1.気候変動
2.河川の開発
3.乱獲
の3つです。
1の気候変動は、地球温暖化が海水温度の上昇や、海流の変化を招いているとするものです。
ニホンウナギはマリアナ諸島の西側沖のマリアナ海嶺付近で産卵し、海流に乗って東アジアの河川まで移動します。
海温が上昇したため、最適な産卵場所が南下し、稚魚が河川までたどり着けない、というのが一つの説です。
2の河川の開発は、農地の開発や洪水に対する治水のために、ダムの開発や水路をコンクリート護岸にしたため、水生生物の生息域が狭まったという説。
3は密漁などによるものです。
これらの要因により、うなぎは捕獲量が減ってしまったようです。
うなぎの食文化はいつ始まったのでしょうか?
うなぎが食料にされていたのはかなり古く、日本では縄文時代には食べられていたそうです。
5000年前の遺跡から「うなぎの骨」が確認されています。
万葉集にも記されています。
本格的に食べ物として定着したのは江戸時代後期から。
庶民向けの食べ物だったようで、干拓によって湿地にウナギが多数生息したことから、大流行したようですよ。
”土用の丑の日”の由来
日本では昔から、夏バテ防止に、「丑の日」に身体に良い「う」のつく食べ物(梅干し・瓜・うどんなど)を食べる「食い養生」の風習がありました。
江戸時代、味のこってりしたうなぎは夏にはあまり好まれてなかったようですが、
かの平賀源内が売上アップのために「本日 土用丑の日」という看板を出したところ、お店が繁盛。
ほかの店も真似をし始めた。というのが由来のようです。
本当にスタミナが付く?
”夏バテ防止にうなぎ”はもはやあたりまえの様に受け入られていますが、科学的な根拠はあるのでしょうか?
”ウナギには、ビタミンA、B1、B2、E、Dのほか、カルシウム、鉄分、亜鉛、脂質(DHA、EPA)、
コラーゲンなど、夏バテ予防に必要な栄養素が豊富に含まれています。
特にビタミンAは、100グラム食べれば成人の一日に必要な摂取量に達します。”(農林水産省より)
と、根拠はありそうです。
抗酸化作用が強く免疫力を高める効果が期待できるビタミンAの含有量は魚類の中ではトップクラス。
疲労回復に効果的なビタミンB1。
この二つの効能がまさに夏バテに効くと言われる所以なのですね。
いかがでしたでしょうか?
今回は「うなぎ」に関する話題を取り上げてみました。
”医は食にあり”とも言いますし、時には食による体調の管理も意識しながら、この夏を乗り切りたいですね!
